ボクは誰?

告白

ボクは知ってた。

親友の史佳が、

大貴のことが好きなのを。

ボクは、

いつも史佳を見ていたから、

わかるんだ。


他の友達の早紀や奈津美も、

大貴が好きだって言っていた。

でも史佳は、

彼女達の話を聞くけれど、

自分も好きなんだとは言わなかった。



でもボクは気づいていたよ。



史佳、

好きなんだろ?

本当は大貴が好きなんだろ?



史佳と二人きりでいた放課後、

大貴がボク達のところに来た。


「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」


告るんだろう。


だからボクは席を外そうとした。


「高橋、ちょっと来て。」


え?

ボク?


ああ、

史佳に直接告ればいいのに。

男らしくない。


「史佳、ちょっと待ってて。」


不安そうな表情の史佳にそう言って、

ボクは大貴について行った。



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