ボクは誰?

病院

○○病院に到着した時には、

息切れがひどくて、

呼吸を整えるのに、

時間がかかった。

でもそんなことより、

史佳が心配だった。


「すみません。鈴木史佳さんって人が、救急でこちらに来ていると思うんですが、どこの病室ですか?」


受付で聞いた。


「305号室です。」


「ありがとうございます。」


「あ、でも今はまだ入れませんよ!」


受付の人の声を無視して、

また病院で走っていたら、


「病院内では走らないで下さい。」


って注意されてしまった。

でもこの焦る気持ちを抑えて、

歩いて行くなんて難しいよ。



史佳。

史佳。

今すぐ、

そばにいくからな。


一人で待たせてしまったことへの後悔で、

ボクの頭の中はいっぱいだった。

自分を責めても、

過ぎてしまったことは、

もう仕方ないのだけれど。



やっと辿り着いた。

廊下にはボクのお母さんがいた。

でも史佳のお父さんもお母さんも、

来ていなかった。

そうだろうなと、

予想はついていたけど。



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