ボクは誰?

あれから日にちが経ち、

早いもので今日は終業式。

大貴とはたまに話すが、

なるべくボクは、

史佳と大貴が、

話すチャンスを作った。

大貴が来たら、

用事を無理して作ったり、

勉強や読書で、

二人の話に参加しないようにした。



実際は気になって仕方なく、

勉強しても頭に入らない。

読書してもストーリーがわからず、

ただ目で文字を追うだけで、

耳はいつも、

二人の話を聞こうとしてた。



史佳の笑顔が見られるなら、

ボクは自分の感情を殺してもいい。

史佳に対する気持ちは、

ボクの心の中にしまっておく。



しかし、

苦しいんだ。

自分の気持ちを抑えることが。

平気なふりをすることが。



明日からの夏休みは、

田舎に行く以外は、

特に予定がない。

史佳もボクも電車通学だから、

家が遠いんだ。



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