ボクは誰?

玄関

結局、

史佳とは、

何も話さないままだった。



玄関の前に到着した時、

目の前に、

しゃがみこんでる人がいた。


「ボクちゃん!」


「絵美!何だよ。」


半ば、

呆れた口調で言った。

しかし絵美は、

すぐに目線を、

ボクからそらして、

史佳に向かった。

その目は、

鋭くて攻撃的だった。



ボクには、

向けたことがない視線だった。


「鈴木さん。あなた、大貴君と一緒じゃなかったの?」


「大貴とは…別れました。」


「それで今度は、彼女のところに来たのね?」


「有希とは、中学時代からの親友だし。」


「親友?呆れるわね。」


「何でですか。」


史佳が、

絵美を睨みつけた。




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