ボクは誰?

ボクが田舎で泊まる部屋は、

いつもと同じ。

でも今回は史佳と一緒。

いつも電話やメールで会話していたけど、

泊まりって特別だよな。

しかも一週間も一緒にいられる。


布団を敷いて二人で寝転んでから、

色んな話をした。


「史佳、大貴が好きなんだろ?」


「え?」


言葉に詰まった史佳は、

顔が真っ赤になった。


今まで誰にも、

言ってなかったのを知ってる。


「史佳とボクだけの秘密にしよう!」


「何で私が大貴を好きなこと、わかったの?」


『当たり前だろ?愛する史佳のことを、一番知ってるのは、このボクだけなんだから。』


そう言いたかった。

言える訳ないけど。

「何となくね。」


そうごまかした。

史佳は恥ずかしそうに、

でも嬉しそうに、

大貴への気持ちを話し始めた。


「大貴は私じゃなくて、有希が好きなんでしょ?わかってるの。でも好きって感情って、コントロールができないのね。」


はっきりと史佳の口から、

『大貴が好き』だと聞かされ、

ボクの心は苦しかった。




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