ボクは誰?

帰り道

五月のゴールデンウイークが過ぎたある日、

いつものように、

史佳とボクは、

学校が終わってから、

図書館に向かった。

おしゃべりしながら歩く。



商店街を過ぎて、

しばらくしたら、

史佳が突然立ち止まった。


「どうかした?」


史佳を見ながら言ったけど、

聞こえていないようだった。

一点を見たまま動かない史佳。

ボクもそっちを見た。



「ねえ、悟。お腹空いたから、何か食べない?」


そう言いながら、

若い男性に絡みつく女性がいた。




!!!



史佳の手を握って、

二人で走った。




何となく史佳に似ていた女性。

おそらく、

あの女性は、

史佳のお母さんだろう。





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