ボクは誰?
自宅では、

『私』とも『ボク』とも言わない。

ボクの心の中で、

自分を『ボク』と言うだけだった。



だから史佳に言った時は、

自分では気づかなかった。

完全に無意識だった。


「えー?高橋さんって、『ボク』って自分を呼ぶんだー!」


そう言われて、

はっと気がついた。

「何か、『私』ってガラじゃないから。」


そう言ってごまかした。



わざと知ってる子がいない、

中学校に入学したボクは、

その後も、

史佳と話しているうちに、

友達になった。



この学校で、

最初にできた友達だった。



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