不器用なシタゴコロ

次の瞬間。





ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ…。





真っ暗な場内に。

ﾘｽﾞﾑをとるﾄﾞﾗﾑの音が響く。





そのﾄﾞﾗﾑに合わせて。

ﾐｽﾞｷｸﾝの声も響く。





「―本日かぎりのｽﾍﾟｼｬﾙﾗｲﾌﾞ―ﾒﾝﾊﾞｰｺｰﾙ!!
…ﾄﾞﾗﾑ…ｹｲﾁｬﾝ!!」





えｯ?!

ｹｲﾁｬﾝ?!





ﾊﾟｯ。



ﾐｽﾞｷｸﾝのｺｰﾙに合わせて。

さっきまで亮ﾁｬﾝがいたﾄﾞﾗﾑのｾｯﾄされている場所にﾗｲﾄがあたる。





そこでﾄﾞﾗﾑを叩いているのは。





『…ｹｲﾁｬﾝｯ?!』





「―声が足らない、しっかり声出せよ〜ｯ!!
…ﾄﾞﾗﾑ!!ｹｲﾁｬﾝ!!」





ﾐｽﾞｷｸﾝの煽りに場内は。

打ち合わせしたかのようなｹｲﾁｬﾝｺｰﾙ。





「―ご指名ありがとう。
次もよろしく、ﾍﾞｰｽ…亮!!」





今度はｹｲﾁｬﾝの声が亮ﾁｬﾝを呼ぶ。

呼ばれた亮ﾁｬﾝはｽﾃｰｼﾞ端からﾍﾞｰｽでﾘｽﾞﾑを取りながらの登場。




場内は歓声でいっぱいになった。