不器用なシタゴコロ

「…ば、罰ｹﾞｰﾑ…？」





そういえば。

“負けたら罰ｹﾞｰﾑねー”とかなんとか言ってたような…。





「でもあれ、とーやｸﾝ先に走りだしてたじゃん」

「俺、だいぶ手ぇ抜いて走ったんだよ？それでもゆずｻﾝ負けたんだから罰ｹﾞｰﾑ」

「手抜きしたの?!」

「…怒るとこ、そこ？」

「手抜きなんてﾋﾄﾞいっ!!」





手抜きされたのに負けた。

しかもあんなに差をつけられて。

私なんて息があがっちゃってたのに!!

…悔しい!!





悔し紛れにとーやｸﾝを睨んでみるけれど。

当の本人は“やれやれ”と呆れ気味。





…とーやｸﾝの言うように。

体力つけなきゃかな…。





「…ま、とりあえず。罰ｹﾞｰﾑは明日、俺とﾃﾞｰﾄね」

「…え？」





いきなり出たとーやｸﾝの言葉は。

私の思考回路をｽﾄｯﾌﾟさせた。