わたしのーと
あめのあじ

『はい!これあげる!!』

そう言ってあなたは

飴玉を一つ私にくれました。

そしてこう言ったよね?。

『大人になったらぼくの

お嫁さんになってください。』

って。私はその時

『よろしくお願いします!!』

って元気にとびっきりの笑顔で

すぐに答えたよね。。

あなたはあの時の約束

もう忘れちゃったよね?。

…そりゃそうか...

あれから18年も

経っちゃってるもんね‥‥

でも私は忘れたことなんて

一秒たりともないんだよ??

まだ隣に住んでるあなたと

偶然、玄関先で会って

少し話しをするときに

あのときの約束を

あなたが覚えてくれてるって

少しだけ期待をしながら

いつも会話してるって

あなたは気付いてないよね。。

でもそれは違ったみたい…。

今日もあなたに会って

少し会話をして

『じゃあ、またね。』

って言っていつもなら

それでバイバイなのに

今日は違った。

『待って!!』

って言われたから振り向いたら

『はい!これあげる!!』

ってあの時みたいに

飴玉を一つ私にくれた。

『ありがとう!』

って言って受け取ろうとしたら

あなたは私にこう言った

『約束ちゃんと覚えてるから』

って。

まるで私のココロを

読み取ったかのように。

そしてこう言った、

『約束は守らなくちゃね!!』

って。そして、、、

『…結婚しよう。』

って。

私はね

『よろしくお願いします!!』

ってちゃんと答えたんだ、。。

あの時みたいに

とびっきりの笑顔で。

いままでずっと私の初恋の味は

あなたが

あの時くれたレモンの飴玉の

甘酸っぱい味のままだったけど

今日、私の初恋の味が

かわりました。

あなたが今日、

指輪と一緒にくれた

いちごみるくの飴玉の味へと。

甘く、とろけるような味へと。




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