蓮の苦悩
暫く抱きしめたまま
麗奈が落ち着くのを待つ


"麗奈
もう離さないから"

俺は誓った
絶対に離さない
一度は諦めた
手放した彼女…
やっと手に入れたんだ


これ以上は
俺がもっと
暴走しそうなので
そっと膝から下ろし
帰宅をうながした



すると

麗奈が

"田崎さん 私も大好きです。
初めて会った時からずっと…"


抱き着いてきた
小さな体で震えながら
麗奈も想いを告げる

あぁ
せっかく押さえたのに
こんな不意打ち反則だ

互いの気持ちを
確かめる様に
何度も
深く唇を重ねた

麗奈の自宅まで
車中でずっと手を繋ぐ

俺って
こんなキャラだったか?
自分自身でこの
押さえ切れない感情に
戸惑う

ヤバい
ヤバい

落ち着け-----


麗奈の自宅前まで送り
省吾に報告をした

喜んでくれたと同時に
麗奈の兄貴として
言うべき事をしっかり
言う省吾

年下だけど
男前だと思う


こんな日が来るとは
思ってもみなかった
あの時と変わらない
俺達の年齢差

出会う時期が早過ぎた
ただそれだけで
愛し合う二人が
一緒になれなかったなんて

大切にしたい

強くそう思った
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