way to Melody
♪序章
「ねぇさやー」
「ん?」
「今度の日曜ライブ行かない?知り合いがやってるバンドが解散ライブやるんだけど…」
「あ、あぁ…うん」
「さや今までライブとか行ったこと無いでしょ?たのしーよ♪その知り合いのバンド、うちらより1コ上なんだけどまじで上手いから!!」
「そうなんだぁ…」
「トークも面白いしね!この前のライブもMCでね〜………」


突然ですがこんにちは。
金田さや・高校2年生です。
興味もないライブなんかに誘われてテンション下がり気味…。
今誘ってきた宮本優ちゃんは小学校からの付き合いで、中学の頃からロック系のガールズバンドをやっている。
正直、私はロックにもバンドにも興味はない。
よく彼女が楽しそうに話すバンドの話も、いつも愛想笑いと相づちで適当に流すだけ。
人と付き合っていく上で、相手に合わせてその場を上手くやりすごす能力は必要不可欠だと思う。
合わない人とは付き合わないとか、合う人とだけ付き合うとか、そういうのは違うと思うんだ。


「そのライブって、優の知り合いのバンドしか出ないの?」
「そんな訳ないじゃんー。アマチュアがワンマンなんてそう出来ないよ。何組か出演してもらって出演料もらうの。今回のライブも他に3組ぐらい出るんじゃないかなぁ」
「へぇ〜、そっかぁ」
「最近うちの知り合いのバンドがどんどん解散してっちゃってさ。寂しいなー」
「…」


まだ聞いたことはないけど、アマチュアバンドのレベルなんてたかが知れてる。
結局は自己満足の世界でしょ?
みんなで誘い合って、出演料払い合って、夢語り合って、なんかダサい。
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