堕天使フィソロフィー

贈愛

家に帰ったら髪をすぐに染めようと思い、

カラー剤を選びながらリュウに電話をかけた。

およそ一年ぶり。
何を話そう。何から話そう。

ねぇ、貴方は本当に待っていてくれていたの?
こんなあたしの事を?

『ねぇ…あのさ…』

「レイちゃん!一年ぶりに話すのに『ねぇ』はないでしょ笑」

『だって…』

何か話してしまえば泣きそうだった。

ずっとずっと聞きたかったその声。
今、やっと聞けたのだから。

『だって話したら泣きそうなんだもん』

「もうちょっと泣いてるやん」

『ごめん…』

「おかえり。待ってたよ」



あたしの愛する人が言ってくれた言葉。


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