堕天使フィソロフィー

陶亡

タクシーを捕まえて品川駅まで車を飛ばし、新幹線に飛び乗った。
ウィスキーを小瓶で呑みながら、携帯をいじっているとあっという間に名古屋に着いた。

そこから電車を乗り継いで、アユムの住んでる街へ向かう。

アユムは改札口で既に待っていた。

背が高くて細身で原宿系の服を着ているアユムは、何だか若さに溢れていて

あたしの眼には眩しく見えた。

アユムは岐阜弁が可愛くて、初対面でも直ぐに打ち解けた。

「とりあえずどっか入る?」

『うん。あたしカラオケ行きたい!』

二人でふらふら歩きながら人気の少ない街を歩いた。

呑みながら歌っていると気がついたら朝方で、その日は二人で死んだように満喫で寝た。

次の日、無理やり押し掛けてしまったからミオにどう言い訳するか、それだけを考えながら。

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