堕天使フィソロフィー

歪空


話を15の時に戻す。


―レイ。15歳―


鑑別所から出て、その足で保護観察所に行った。

週に2回、保護司に会いに行って近状報告をするらしい。

それで外にいられるなら、充分だと思った。



帰りにカラー剤を買って、家に帰るとすぐプリンを直した。

眉毛も整えて、

『これで学校も行けるな』

そう思った。

すぐに
ゆりかやまきちに連絡した。

二人とも「心配したんだよー」と言ってくれた。

携帯の番号は変えた。

親や刑事さんが、「あっちゃんから連絡がこないようにするため」

そう言ったからだ。


戻ってきました的な挨拶を

ミナト、つかさ、トモヒロ、アユム…

メールで連絡した。

一緒に捕まったエリに連絡するか迷ったけど、

一緒に犯罪に巻き込んでしまった事を謝って、メールを入れておいた。



酒が飲める自由。
タバコが吸える自由。

友達に連絡できる自由…


出れて良かったと本当に思った。



3日くらいして、学校に復帰した。

いつものメンバーはすぐにまた集まった。


あたしはその頃、
親に嘘をつくことに全く抵抗がなかった。


つまり


裏切った。



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