This is us



私なんて相手にされないって、分かっているのに…。



「あっ蓮〜!」


遠くから女の子の声がして、振り返るとなつめちゃんが走ってきた。



「げ」


低い声で彼は一歩後ろへ後退りする。


「誰かと思ったらさとりちゃんだ。久しぶり」


「久しぶり」


なつめちゃんは、相変わらず華やかだ。

綺麗に巻かれたミルクティー色の髪。

にっこり笑うなつめちゃんに、罪悪感が襲ってくる。


「どうしたの?こんなとこで立ち話?」


「あ、私文化祭の準備で学校戻るところだったんだ…」



苦しい。


このまま消えちゃいたいくらい。


苦しくて、苦しくて…胸が痛いよ。


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