This is us

Side Satori



どうせなら、彼の口からはっきり聞きたい。



「迷惑だなんて、思ってない…ただ、理由が知りたい」



「理由…」



私に構うのは、ただの気まぐれだって

暇つぶしだって…


何だって構わない。

そしたらきっと、諦めもつくから。


「理由は…お前が…」



本当は、すごくすごく怖い。


堪えていた涙が、雨に混じってポロポロと零れた。



このまま時間が止まったっていいとさえ、思ってしまう。



「お前が…」



ギュッと瞳を閉じて、覚悟を決めた。



より一層、雨の音が強くなる。



.
< 177 / 388 >

この作品をシェア

pagetop