This is us





結城くんが、私を好きだなんて考えられない。


「…突然ごめん、泣くなよ」



そう言って優しく涙を指で掬ってくれた。


その手は、雨に濡れてひんやりと冷たい。


けれど、触れられた所が熱を持って熱くなった。


頭が真っ白で、ふわふわと浮いているかのような気分で。



「小田切…」


いつまでも泣き止まない私に、彼は困ったように眉を歪めた。



「…私も…。好きだから…その…う嬉しくて、信じられなくて…その…」



言いたい事がまとまらない!!



けれど、言ってしまった。


好きって…

ずっと言いたくて、言えなかった…。



私の気持ち。



そんな私を見て、彼はふっと笑った。



あ…



思わずピタリと固まってしまう。



初めて、彼の笑った顔を見たんだ…。



柔らかくて、優しくて…


胸が大きく高鳴る。


それだけで、これ以上呼吸が出来ない位胸がいっぱいになった。


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