This is us


読み終わった後、北川くんに"ありがと"と口パクで言うと、可愛い笑顔で頷いて。

その笑顔に、ほっと胸を撫で下ろした。


「小田切さん、七組の香川さんが呼んでるけど…」


放課後、部活に行く準備をしていた優花と私の所へクラスの女子が躊躇いがちに言いに来て。
廊下に視線を向けると、香川さんと何人かの女子がこちらを睨んでいた。

「げ、呼び出し?」

「はいはい。優花先に行ってて」

本当、面倒だ。

優花が何か言っていたけれど、私は聞こえていないふりをして、廊下へと出る。

「何?」

香川さんは長い髪を二つに結んでいて、毛先は綺麗にカールしている。
私を睨み付けたまま、"話があるんだけど"と言い放って人気のいない場所へと移動した。


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