This is us

Side Ren



まるで蒸し焼きにされているような寝苦しさに、目が覚めた。


額や背中に、汗が滲んでいて。


カーテンの隙間から射す日差しが、更に不快感を煽る。


枕元に置いてある携帯に手を伸ばして、時刻を確認すると、まだ八時半をまわったところだった。


堪えられない暑さに、エアコンのスイッチを押す。


二度寝しようと、倒れるようにしてベッドへ横になると、携帯が震えているのに気付いた。


表示されるのは、知らないアドレスばかり。


その中に紛れて、“佐々木健吾”と“原なつめ”の名前があった。


佐々木のメールは、『部活来ないの〜?』と相変わらず空気が読めていない内容で。


なつめからは、『お祭り行きたい行きたい行きたい』と不自然に多い絵文字に、もう溜息すら出ない。



どちらも返す必要がないと判断した俺は、携帯の電源を落として眠りについた。


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