This is us



「かっかのっ…彼女じゃないよ!そっちこそ結城と付き合ってんの?」


相原くんが慌てた様子で、ぶんぶん手を横に振って否定した。

その横顔は、ほんのりと紅く染まっている。


「うんっ!」


「おいっお前な!」



原さんが笑顔で頷くと、彼は眉間にしわをくっきりと浮かべて口を開いた。


へぇ…付き合ってるんだ。

噂では、7組の香川恵梨香と付き合っていると聞いていたけれど。

どの女の子もきらびやかで彼と並んでも見劣りしない、可愛い子ばかり。



「まぁまぁ…」


相原くんは苦笑いで彼を制している。


「ね、名前何て言うの?同じ学校?何組?」


ぱちりと私と瞳が合った原さんが、ニッコリと笑った。


「えっと、同じ学校の二年三組、小田切さとり」


「さとりちゃん?!超可愛いね!私原なつめ。相原とは席が隣なんだよ。よろしくね!」


キャピキャピしたなつめちゃんに、果たしてついていけるのか…と頭の片隅で思う。


そして、なつめちゃんの隣にいる彼。

胸に広がるざわめき。

彼の存在が、身体を焦がすように心地悪くさせた。


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