天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
その中に、小さくなった…理香子が入っていた。

気を失い、丸くなりながら…。

「月の女神の命は、我々の手の中にあるのよ」

桂はにやりと笑い、

「女神を助けたければ、闇と反転した月影リバース達とともに、邪魔者達を排除しなさい!」

瓶を握り潰すふりをした。

「く!」

中島は、顔をしかめると、その場から消えた。




「乙女ダーク…。さらに、月の色の変化」

九鬼が間合いを取る為に、後退していると、正門の方から爆発音がした。

「チッ!」

九鬼は、舌打ちした。




「何の音だ!」

部室内にいた高坂と緑は、体育館裏の出入り口から飛び出した。

「部長!」

緑は直ぐ様、体育館の屋根に立つ乙女レッドを発見した。

「乙女レッド!しかし、爆発音は、正門の方から…」

何かが起こっていると直感した高坂は、ダイヤモンドの乙女ケースを取りだそうとした。

しかし、いつもの学生服のポケット内になかった。

「ぶ、部長!」

慌てて、全身を探していた高坂の耳に、緑の声が飛び込んできたと同時に、ダイヤモンドの輝きが、目に入った。

「緑!」

眩しさに目を瞑った高坂が、次に目を開けた時…目の前に、乙女ダイヤモンドが立っていた。

「お前!勝手に、俺のケースを」

注意しょうと近づこうとした高坂に向けて、乙女ダイヤモンドは拳を振り上げた。





「フゥ〜」

間一髪で、乙女ピンクの攻撃を避けることができたが…校舎内にクレーターができた。

「意味がわからないけど」

俺は、前に立つ乙女ピンクを睨んだ。

今度は、バズーカではくマシンガンが握られていた。

「何かの冗談って訳でもないようだな」

クレーターの側に、乙女ブルーと乙女パープルが立っていた。

ブルーの手には、青竜刀が握られ…パープルの周りに、無数の包丁が浮かんでいた。

「殺る気だな」

俺は頭をかいた。

「もしかして…お嬢様って、結構怨まれている?」

肩をすくめて見せたけど、そんな余裕はなかった。

3人の月影は、一斉に攻撃を開始した。
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