天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「はい!」

麗菜は、里美の目を見ながら頷くと、チケットを手にし、ダブルケイを後にした。

「いい子ですね」

出ていた後、志乃がそう言った。

「当たり前よ。あたしは初めて見た時から、ピンと来たし!」

当然とばかりに胸を張る和恵。

「彼女には、音楽の才能があるかもしれませんね」

志乃は、里美に顔を向けた。

「そうね」

だけど、里美は素直に頷かずに、煙草に手を伸ばすと、

「あるかもしれないけど…それ以上に」

口にくわえ、火を点けた。

「決意を感じたわ。まるで、成し遂げないといけない決意があるように」

煙を吐きながら、里美は…先程の麗菜のような決意の目を見たような気がしていたが…すぐには思い出せなかった。
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