朧月
帝の心

現世を捨てて夢の世界へ 私の語る物語は 月に帰ったかぐや姫のいない 地上の物語

ある日 左大臣は 落ちぶれた宮家の姫の話を帝にした

左大臣『桃園式部卿の宮様ゆかりの姫で大変美しい姫がおります
琴 琵琶を慰めに寂しく日々を送ってるとか…』


帝『誰であっても その者はかぐや姫では無い… 余はかぐや姫に会いたい』


左大臣『帝 そんなに嘆きますな 取りあえず 入内させて 一度会ってみては? 』


帝『会うぐらいなら…果たして私の心を動かす程の姫であろうか?』


左大臣『心ばえすぐれた姫と聞き及んでます 入内を進めてみましょう
兵部卿の宮の身内の者
あの者に話してみましょう』
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