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事実は、小説よりも奇なり

言い過ぎだとかどうだとか、関係ない。

後は母親がちゃんとお見合いを断わってくれることを祈ろう。

好きな人と結婚して、幸せな生活をしたい。

女の子なら誰もが願うことである。

私だって、その1人だ。


翌日。

「桃井」

その声に振り返ると、書類を片手に立っている部長がいた。

「これ、秘書課の方に」

そう言って部長は書類を差し出してきた。

秘書課――社長室と同じ、最上階にある場所である。

当然、そこにはあの人がいる。

「はい、わかりました」

私は書類を受け取ると、椅子から腰をあげた。
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