はい、幸せです。

問題児‐潤



「笠原さん!何も今しなくたっていいでしょう!?」

おーおー、さっそく問題児を拝見できますか。

「どう?可愛い?」

そう言って女が見せたのはキラキラデコデコの尖った爪。

「笠原さん、他事をするにしてももうちょっと選びなさい?携帯触るとか漫画読むとか…。」

おいおい…それは違うやろ先生。この女普段何やっとんのや…。

「先生、舞には時間が足りないの。勉強なんて次の次。」

そういうと先生は困ったように黙りこんだ。

「でも…。」
「ごめん、授業妨害するつもりはないから。迷惑だしちょっと気分悪くなってきたから保健室行ってくる。」
「え、大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫♪」

そう言って女は俺の横を通り過ぎて教室を出て行った。………納得いかん。何であんなに先生は下手にでるん?俺、普段から問題児やからってある程度のことは許されるとか嫌いやし。

「ごめんなさいね、せっかく下見に来たのに。このクラス…あの子はちょっと特別でね。気にしないでね。」
「あ、いえ。面白そうな子ですね。」
「………。」

俺と一緒に今の光景を見ていた先生は苦笑いというよりは作り笑いをするだけで何も言わなかった。

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