ゴシップ・ガーデン
友吾兄は、酔っぱらった赤ら顔で
しげしげとあたしの顔をのぞきこむ。


「それにしても、
しばらく見ないうちに
すっかりキレイになっちゃって。
シイナちゃん、カレシいるの?」


「…いない。受験あるし」


「えー、もったいない!!」




「あ、オレ、カノジョ募集中♪」

友吾兄の後ろにいた男が手をあげた。

ちゃらそうな顔。

…確かこの人、昔も
ちゃらかった。



「シイナちゃん、
よかったらこいつどう?」


「昔、千夏の部屋で
会ったことあるの覚えてる?」


「大人っぽくなったよね」


「今何年生?」


友吾兄のまわりの男連中が、
次々身を乗り出して、
口々にしゃべりかけてくる。



「…高3です…」

人見知りなあたしは、
いっぺんに話しかけられても

どうしていいか
わからなくなってしまう。




「オレ、カレシ立候補しようかな!」


友人の一人に肩を抱かれた。


ノースリーブの腕に
ベタベタじかに触れられて
うっとおしかったけど、

どーせ酔った冗談だろうし、
お祝いの席で
雰囲気壊すのもアレだし、

我慢してニコニコしてた。




「はい、そこまで」


それまで静観してたヒオカ先生が、

あたしの肩をとって、
男から引き離した。

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