"code = choice"
第3章

運営会社


 阿部先生はカバンも持たず、車のキーだけを持って古典準備室を出る。状況が分からないまま、僕たち3人はその後を追った。

 廊下をスタスタと歩く先生は、なぜか上機嫌に見える。
「先生、一緒に行くのは構いませんが、もう直ぐ5時間目の授業が始まるんですけど・・・」
 先生は僕の言葉に戸惑うも様子も見せず、返事をしながら校舎を出て職員駐車場に向かう。
「貴重品は持ってますか?」
「あ、はい」
「それならば結構です。カバンや教科書など、学校に置いておけば良いです。学校の授業を1時間や2時間休んだところで、特に問題ありません。これから貴方達が経験することに比べれば、本当に些細なことです。
 さあ、乗って下さい」

 授業が些細なことって、確かにそうかも知れないが、先生が口にする言葉ではないような気がする。
 それにしても、僕たちは、いったいどこに向かうのだろうか?


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