【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
そのまますいっと目線があたしに移った。
あたしの小さな心臓が生まれたての小鹿のように震える。
「何下手なナンパにひっかかってんの?」
呆れたように見下ろして、ため息をつくお兄ちゃん。まだブラック降臨中!?
低い声にビビりながら
言われて気づいた。
あれナンパだったのか!
「は、初めてだったし。しょうがないじゃん」
口を尖らせて、情けない反論をする。恥ずかしながら初めての体験。想像と全然違って、押し付けられる好意の怖さを感じた。
思い出して体が震えた。
「……大丈夫か?」
あたしの頭に大きな手が乗せられる。