一緒

とりあえずは泊まるところだ

慶介と俺はコンビニのATMでいくらか金を下ろしたあと、買い物をした

「なんか食った?」

「いや、飯の前だったし。誠一は?」

俺もだった
示し合わせて今日、それぞれ仕事から帰って家族に打ち明ける
そう言い出したのは慶介とも俺とも言えない
ただ、前から少しずつそれをいつにするかタイミングを謀ってた

カゴに適当に食料とペットボトルを入れてレジに持っていく

腹が減ってるわけじゃないけど、外食する気分でもないし買っておけば適当に食えるだろう


「ありがとうございましたー」

特別愛想もなく、ただ習慣付いたリズムのような口調でそう言う店員の若い男の子は、俺たちに起こった出来事なんか知らない

―――誰も知らないんだ。俺と慶介とその家族以外は


















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