◆◇遠い日の約束◇◆
ナカモリカナ、と自分で自己紹介した果菜は、長くて巻いてある、金髪の髪をポニーテールに束ねてイスに座った。
「とりあえず、栄華が全国中高生吹奏楽コンクール出場って話は取り消しのようね」
「だからそれがなんでだって聞きてぇんだよこっちは!!
てめぇらのせいでそうなったんじゃねーのかよ」
普段清楚で可憐な飛鳥が、そんな言葉を吐くなんて…相当のこと。
「……へー、清楚美人チャンがそんなこと言うんだ♪
まあアタシは見ての通りギャル不良だし、喧嘩はきっと飛鳥チャンに負けないよ」
……へぇ、果菜、飛鳥のことナメてんじゃん。
果菜は中学生のころ空手大会女子の部で全国優勝してるのに。
そんな飛鳥に、一般人の果菜が勝てるわけないじゃん。