信じてるから。
―学校[1ー2]

「しんやぁー」

「おう!」

教室から手を振るのは朝川麻奈。
俺の親友。

「今日もその美声はたまんないねぇ」

「ハハハ、なんだよぉお前だっていい声してんじゃん」

「おうおう、言ったなぁしんやくぅん」
ニヤニヤと悪な笑みを見せる。

「じゃあ僕っちが此処で一曲唄おっかなぁ…♪」

「おい…やめとけよ、今日、風強いから、窓ねぇと寒みぃよ」

「なんで割ること前提なわけ!!!」

麻奈は俺の前の席だ。
何故かいつも後ろ(つまり俺のせき)向いて弁当を食べる。

「……あれっ?お前弁当二個目?」

「違うし!!そんな食べたら太るし」

「えっあっあぁうん、ゴメン」

「そう!私はただ信也の弁当つまみ食いしてるだけだもん」

「そうそう…悪かった…って…」

「うんうん」

「っっって何してくれとんじゃっ」



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