《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
―――あのふたりって、そーゆー
カンケイだったんだ――。



一定の距離を保って歩きながら、
呆然とその姿を眺めるあたしの
視界の中で。


ふたりは通りの歩道と車道の境に
立つ街路樹の下で立ち止まり、
二言三言、笑って言葉を交わした。


そして、矢崎さんが車道に向かっ
て軽く手をあげて、タクシーを
停める。


一緒に乗り込むのかと思ったら、
タクシーに乗ったのは松岡さん
ひとりで。


ドアが閉まっても、松岡さんは
窓越しに矢崎さんに手を振ってた。


矢崎さんも笑顔で手を振って、
やがて、タクシーはゆっくりと
走り出す。


矢崎さんはしばらくの間それを
見送って……。


そしてクルッと方向転換すると、
人の流れに逆らって、再び歩き
出した。


そう……行き交う人の流れとは
逆に、人ゴミを縫うように。


明白な意思を持って……こっち
に、向かってきてる!?


ギクッとして立ち止まったあたし
の少し前で。
< 128 / 348 >

この作品をシェア

pagetop