《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
「あら、そうなの?

それじゃ――」


なんであたしが? っていう、
松岡さんの目線。


「それはそのうちわかりますよ。

それじゃ、オレらはこのへんで」


爽介がさりげなく部屋の入口の
とこを目で示して言う。


新条さん達が、会いたドアの外に
立って、あたし達を待ってた。


「あぁ、ゴメン、引き止めて」


察した矢崎さんが謝る声に、
爽介は、


「イエ、それじゃ」


と短く答えると、軽く会釈して
歩き出す。


あたしもふたりに向かってペコッ
と頭を下げて、その後に続こう
として。


矢崎さん達に背中を向けて、何歩
か歩いたところで――。


「ふぅん……」


小さく囁く声が聞こえたような
気がして、あたしはハッと振り
返った。


あたしの目に映ったのは、俯き
がちでメガネのフレームに細い指
を当ててる矢崎さん。


松岡さんに向かって話してるわけ
じゃない。

――じゃあさっきのは独り言?


そんなことを考えながら、矢崎
さんの表情を見てたら。
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