Secret Kiss

突然のキス

あたしはいつものように放課後、図書室で本の整理をしていた。
その頃には生徒たちは部活や帰ったりで図書室には誰もいない。
静かな中、あたしは黙々と返却された本を棚に戻していた。



『ガラガラ…』



するとドアが開く音が聞こえた。

こんな時間に誰だろう…?
あたしはドアの方を覗いてみた。
そのとき背の高い男子生徒が通り掛ったのを見た。


「あのー何か御用ですか?」


あたしは勇気を出して話し掛けた。
しかし返事は返って来なかった。

せっかく勇気を出したのに何なのよ…!
あたしは無視しようと思い、作業に再び取り掛かった。
たまたま手に取った本の戻す場所が棚の上だった。
背の低いあたしには届かず、梯子を持ってきた。
古びていて、とても不安定だけどこれを使う以外方法が無い。

あたしは梯子にゆっくりとよじ登り、本を戻そうとした。
しかしその本が分厚くて隙間に入らない。

さっきからイライラするなーと思いながら頑張って入れていると梯子がグラついた。


「あのさーここに漫画はねぇの?」


すると後ろから話し掛けてきた。
しかもありえない質問…!


「ここは図書室です!漫画なんかあるわけなっ…きゃっ!!」


そのときだった。
グラついていた梯子はとうとう倒れた…。
もちろんあたしも床に倒れた。


「…おい!聞こえてんのか?!」


あたしは気付くと男子生徒の上に乗っていた。


「あっ…!ごめんなさい!」


あたしは急いで立ち上がろうとしたが体がよろけ、また倒れそうになった。


「…あっ」


「大丈夫かよ?」


そんなあたしの体を彼は支えてくれた。
彼は金髪に近い茶髪で目がキリッとしていた。
それに睫毛も長くて肌も綺麗だった。
そんな彼に見惚れてしまった。