先生の秘密


それからゆかりちゃんも出掛けていき、私は保健室の鍵を持って教室に向かった。


時間帯的に、ちょうど一時間目と二時間目の休み時間だ。


教室に入ると、聖とはつかが真っ先に私に駆け寄ってきた。


「青葉っ!大丈夫~?今からお見舞いに行こうとしてたんだけど」


「熱があるならあるって言いなさいよ。アンタらしくもない」


ゆかりちゃんにも言われたけど、そんなに私って頑丈なイメージなんだろうか。


「そんなこと言ってー。聖ってばさっきまで、同じ寮の部屋なのに気づかなかったなんてーって自己嫌悪に陥ってたんだよ」


「なっ…!べ、別に…。心配なんて…」


聖さんや、アンタはいつの間にツンデレになったんだい。


真っ赤になって否定する聖は珍しい。


今の内に堪能しておこう。


「二人ともありがとね。でも、もう平気」


笑いかけると、二人は安心したようにほっと息をつき、それを合図にクラスメート達から心配の言葉を掛けられた。



いいクラスだ。本当に。



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