幸せよりも欲しいものは何ですか?

親子と恋人

…ピンポーン

と同時に玄関の戸が開けられた。


『パパ~!』


愛結は春樹に飛び付いて行った。


「春樹、お帰りなさい。」


『…ただいま。』


春樹は愛結を抱き上げた。


「…。」

『荷物運ぶよ。』

「ねぇ春樹…。」


『何、寂しそうな顔して。』


春樹は私がまた愚痴愚痴言うのかと思って、眉間にシワ寄せて、愛結を抱き上げたまま私を見下ろした。


『…何?』



「…春樹、私も抱っこされたいな…。」


『はぁ!?』


「春樹に抱っこされたいなぁ。」


私がショボンとしているのを春樹はシカトして部屋の中へ入り、愛結をソファに下ろした。


「…シカトかよ…。」


私が玄関で愚痴を洩らすと、

バシッと後ろから春樹が私の頭を叩いてきた。


『馬鹿言ってねぇで荷物運ぶの手伝えや。』


「あぁ、でも先にご飯にしよ?ちょうど出来たから。それから荷物運んで、終わったらビール飲む?ビール用意してあるよ。おつまみも作ってあげるから。」


『…お前、意外と使えるな。』


「…はい?」


『よしっ!愛結~、飯喰うかぁ!』

『めしぃ~!』


私はまたも玄関に置いていかれた事に気付き

すぐリビングに戻る。


「愛結。めしじゃなくて、ごはん!」



凄く楽しいけど

凄く疲れるかも…。
< 184 / 217 >

この作品をシェア

pagetop