CHERRY

お腹を抱えながら爆笑する私。

『親子でハモるなら分かるけれどっ……、自分の幼馴染みと自分のお母さんがハモるって……!!!(笑)』

「…おい」

「……っ」

「…柚紀?」

「……っ」

「……柚」

「……クスッ」

「…柚、今から襲ってあげよ」

「やめて、すいませんでした」

「ゆーちゃん、やっちゃえ☆」

「自分の愛しい愛娘が目の前で幼馴染みに犯されても平気なの、お母さんは」

「お互いの同意があれば大丈夫なのよ」

「俺は同意してるから」

「いや、由は同意してても私は同意してないんで」

「あら、ゆーちゃんならお母さん安心よ?」

「どこがよ…」

「幼馴染みだからよ♪」

「いや、単なる言葉の錯覚だから。幼馴染みだから安心っていうのは間違ってるから」

「もー冗談に決まってるじゃない!本気にしないでよ、まったく…」

「……軽く本気だったでしょ、今のはカ・ク・ジ・ツに」

「……少しは?」

「……メイク道具持ってくる」

「早くしろよ、もうまじで遅刻すんぞ」

「ん、分かった」

(自宅なのになぜか)少し身の危険感じたが、急いで自分の部屋に戻る。

「んー……とりあえず全て一式持って行きますかな」

『メイク道具全部と……コテ(由用)と……シュシュと……メイク雑誌……ノート……この位かな?』

「柚紀まだー?あと10秒」

「今行く!!」

急いで階段を下がる。

「お疲れ様、行こっか」

「ん♪」

「あら…、夏休みまで会えないのね……。お母さん悲しいわ…」

「…たったの3ヶ月じゃん」

「分かってるわよ、3ヶ月なんか早いわよ!早くいってらっしゃい」

「~~なんかいいや…、いってきます」

「おばさん、いってきます」

「ゆーちゃん、いってらっしゃい♪」

「……なんか差感じるのは私だけ?」

「そんな事無いわよ。ほら、遅刻しちゃうわよ」

「柚紀、行こう?」

「…ん、お母さん、バイバイ…!!」

「…バイバイ」

クスッと優しく笑ったお母さん。

少し淋しそうに見えたのはきっと……気のせいじゃない。

私は笑顔で家を出た。
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