傷の行方
彼は少しずつ



お見合い相手の方と会ったり


食事をしたりするようになり



私からは連絡をしないようにしていた



ある日彼がやってきた



彼は真面目な顔で



「今日でこの関係を終わりにしたいと思う」



と言った



私はただ 黙ってうなづいた


お見合い相手の話を少し



聞きたかった


私は「彼女はどういう人なの?」と聞くと



彼はいい子だよ


「俺と同じくらい俺を想ってくれてる」



そう言った



私は以前の言葉を思い出しながらも



「そっか よかった」


と言った


それから彼が


「二番目に好きな人だよ」と言った



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