傷の行方
みんなが勉強をしている頃も



私は高校へは行かないと決めていた



高校へ行ったって


大学に行くことはできないし


高校で何を学ぶのか




仕事をした方がいいと思っていた


けれど カタチだけでも高校受験はするように


先生が個別面談で話をしてきた



適当な高校を選び


親友とそこへ願書を持って行き


高校の受付の人と喧嘩になり


願書を持って帰ってきた



私は暴力や喧嘩は嫌いだから



話でなんとかしようとするが


その頃の私に言葉は


なんの意味もなかった



まずは年齢



そして外見


真剣に話ができない相手ばかりで


若さに苛立ちを感じていた





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