第三章 悲しい心
            ~楓~


次の日、学校に行くといつもあたしより早く来ている翔の姿が見つからない。
昨日の事といい、大丈夫なのか?っと不安に胸を打たれた。

予鈴のチャイムがなっても彼の姿は見られなかった。
あたしの不安げな表情を読み取ったのか、友達の林(りん)が話しかけてきた。

「楓?大丈夫~?あんた・・・すーーーーごくッ!表情が暗いよ~」

「えええええ!!?そう?」

「うん!まぁーたとえると・・・あれかな~?」

「あれ????」

「うん・・・モアイ?」

あははははっと、自分でいって笑ってるりん。あたし・・・傍からみたら、モアイなんだ・・・って変な感情を抱いてしまった。

「で?なんかあった?」

今度はまじめに聞いてくれた、でも今のあたしは話す勇気がなかった。

「いや、なんでもないよ」

頑張って作り笑を見せた。それと同時に、先生が教室に入ってきた。

気のせい?なんか・・・いつもよりテンション低くない???
大丈夫かなー?先生。

「おはよう、今日はみんなに報告がある」
眉毛にしわを寄せて、話しにくそうに言った。



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