真剣な表情をして、楓をみつめた。



「俺は・・・恋しないって、昨日きめたんだ・・・だけど・・・俺も・・・楓が好き・・・だからこそ・・・一緒にいてほしくない。俺が死んだとき・・・お前は・・・楓は・・・泣くだろう・・・」



俺は、楓の泣いている顔をみたくない、それどころか・・・一緒にいて、傷ついてもらいたくない。
でも楓は・・・まだわかんないのか!ってくらい、俺を見つめていった。


「翔・・・人はだれだって泣くの!人はね?誰だって、最後は死ぬの!それが早いか遅いかの違い!翔はずっと、一人で孤独に死んでいくの?あたしは許さない!」


―――俺の中のなにかが、動き始めた。人は誰だって死ぬ。

それが遅いか早いかってだけで・・・だれでも死んでいくし、誰だって泣く。
一人で孤独で死ぬのは嫌だけど・・・そんな彼女の姿をみていると、なんだかほっとして同時に笑みがこぼれた。









「楓・・・俺・・・楓が好きだよ?でも、もうすぐ死ぬよ?俺」

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