第四章 迫り来る悪魔
~楓~



「そろそろ帰ろっか・・・俺さ、今日から・・・病院に行くんだ、入院」

苦笑している彼の横、あたしは何も言ってあげられなかった。

「いつまで入院するの?」
「さぁーな・・・わかんね」

あたしはいったいなにをしたらいいのか、わかんなくなってしまった。
あたしより、彼のほうが絶対にわかんないと思う。それは、自分の病気のこととかで、それ以外には感じられなかった。

「あ、メアド交換しよーぜ」

そういって彼がはにかんだ、つられてあたしまでもが、はにかんでしまった・・・。

「じゃあ、赤外線で!」

メアドを交換し終わった後は、病院に行くからっと思って「またメールするね!じゃあ・・・ばいばい」

って、少しでも明るくいったら、翔はなにも言わずに俯いた。

「どうしたの?」って聞いたら「俺でいいのか?」って聞いてきた。
だから「いいよ、心配しないで?あたしの初恋だよ?」っていった。

それから翔と別れて家に帰った。あたしは一人暮らし。
母と父は離婚して、今は父のほうにいるんだが、父は仕事がいそがしいっと言ってあたしにこのマンションに住みなさいって言った。

それきり父からの連絡はない。でも毎月通帳に生活費が入ってくる。



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