Quiet Christmas.
着いた先は、小さな教会だった。
住宅街の中にあって、人が全然いない。
中に入ると大きなツリーが飾られていた。
「大きい。」
そのままの感想をもらす亜利哀に、彼は笑う。
さっきまで、得体の知れない恐怖に身を竦めていたのも吹き飛んだ様子。
「知ってる場所?」
「妹が…ここで結婚式を挙げたいんだと。名前は『世界の隅』。」
世界の隅。
とても良い言葉。
参列者の席に座って、ツリーを眺めた。
キラキラしていて、綺麗だ。
「…お前がもし社長になったら。」