浴衣と花火大会 ~ナツコイ~
プロローグ
―――夏。

それは私が一番嫌いな季節。

みんなは好きっていうけれど、
暑いし紫外線が強いしで最悪。

私は肌が弱くて、
日焼け止めクリームを塗っても、
プールには入ることができない。

みんなは友達と楽しくプールに行くのに。
私だけ置いてけぼり。

そんな最悪な夏でも、唯一の楽しみがある。

花火大会だ。

夜店で綿菓子やかき氷を食べたり、
スーパーボールすくいや金魚すくい等の
遊びはとっても楽しいし、
私はいつも浴衣を着て行く。

大人っぽく見える浴衣に、
花火で照らされる顔。

いつもとは違う自分を演出できるのだ。
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