桜ノ籠 -サクラノカゴ-
出られなかった。
何をどう話せばいいのか、分からなくて…
分からないのは私だけで、青磁先生は、ただ心配してるだけなんだろうけど……
何をどう話しても、
泣いてしまいそうだった。
青磁先生の声を聞いただけで、
泣いてしまいそうだった。
震える手で携帯を持ち、
もう片方の掌には、桜色のしおり。
いつもならー…、
ついさっきまでは、
私の心を支えてくれた、桜色のしおりが、
今はこんなにも、心もとない。
こんなにも、
私を寂しくするものだとは、
思わなかった…。