桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「…ゆっくり、ゆっくりいこう。伽羅ちゃんのペースで、俺達のペースで」
「俺、達の?」
「そう、伽羅ちゃんと俺、二人のペースで」
「二人で、いてくれるんですか?……私と?」
あたたかい腕の中で、
青磁先生を見上げる。
青磁先生は私を離さない様、
腕に少し力を入れ、
「悪いけど、もう、離さないよ」
そういって、青磁先生はイタズラっぽく笑った。
溢れる涙、
でも、
これは、さっきまでとは違う。
青磁先生の心を受けた、
あたたかい涙。