桜ノ籠 -サクラノカゴ-
青磁は杯を縁側に置き、三日月の描かれた煙草の紙箱から、煙草を一本くわえる。
「まだ、安心は出来ない」
「え?」
「……動けなくなる程に、あんなに一宮を強く想っている伽羅ちゃん。
今は笑顔も戻り、学校に行く事も出来て、」
「うん、いい傾向よね?」
青磁はくわえていた煙草に、銀色のライターで火を点けると、
「……でも、揺り返しが来るかもしれない…」
静かに、呟く。
「揺り返し?」
茜の持つ杯の透明な酒が、ゆらりと揺れる。