心を失ったカノジョ
それからアイツの主治医が来て
私がベットに寝ていても何も言わなかった。




ここに泊ることを許してくれているの?




なら、なおさらありがたい。




「この子が例のあの子?」

「あっはい…」

「綺麗な子だね…」

「そうで…すね」




思ってないくせに…お世辞なの知ってるよ。




主治医も私を植物状態だと思ってるんでしょ。




悪いけど…病院でも私は治せないんだよ。




でもね、あのね…。




綺麗な子も正直嬉しいよ、だけど。




もし治すなら……もう1度あの言葉を聞きたい。




アイツは…言ってくれない。




私がアイツにいってほしい言葉…は謝罪じゃない。




私が心を失っていなかった頃いってくれた言葉。



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