心を失ったカノジョ
頷いて……俺の胸に顔を押し付けて静かに泣いた。




俺は何度も心の背中を擦った。




子供をあやすように。




「心は回りは明るいのに堅く目を閉じていたから暗く感じたんだな」

「…………」

「もう……心を失ったりしないでくれ」

「うん………」




初めて……泣き顔をみた。




それはもう溜めてた涙の滴に違いない。




助けてくれないなら、だから泣かなかった。




心は悲鳴の声をあげてたのに先生も無視をした。




「もう大丈夫…」

「…………」

「無視した人間は罰があたるよ」

「うん………」

「心の理想の世界…難しいだろうな」




本当のことをいい合える。




自分のためにじゃなく相手のために。




「………そうだね」




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